不妊症という言葉をよく聞きますが、不妊症とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか?
不妊症とは?
赤ちゃんが欲しいけどなかなか妊娠しないと、「もしかしたら不妊症なのかも」と不安になりますよね。
では、どのような状態を不妊症というのでしょうか?
不妊症とは、避妊をしないでセックスをしているのに、1年以上妊娠しない状態をいいます。
“「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。”
出典:日本産科婦人科学会
日本の場合、妊娠を希望してセックスをした場合、1年以内に80%、2年以内では90%のカップルが妊娠していると言われています。
男女ともに年齢が上がると妊娠しにくくなってきます。
妊娠できるタイムリミットが迫っている場合は、不妊症の基準である1年を待たずに治療を始めるほうがいい場合があります。
日本生殖医学会では、40歳以上の場合、6か月以上避妊をしていないのに妊娠できなければ、医学的な検査を始めることを推奨しています。
また、女性側に月経不順があったり、排卵が上手くいっていない、子宮内膜症や子宮筋腫などがある、生理が重い場合は、妊娠しにくくなっていることもあります。
不妊症は、風邪やケガのように、熱が出たり痛みがあったりと体に何かの症状が出ているわけではありません。そのため、不妊症や自分が妊娠しにくいことに気が付かないまま時間が過ぎてしまい、妊娠に適した時期を逃してしまうということもあります。
不妊症かもと思ったら、早めに対策をしましょう。
不妊症の原因は?
以前は不妊治療というと、女性のためのものと考えている男性も多くいました。しかし、不妊の原因は女性だけにあるわけではありません。
WHO(世界保健機関)の発表した資料によると、不妊の原因が男性、女性のどちらにあるかの割合は次のようになっています。
男性側に原因:24%
女性側に原因:41%
両方に原因:24%
原因不明:11%
妊娠するためには、卵子や精子の状態や、受精や着床までの多くの要因が関わっています。そのため、原因を突き止めようとしても、様々な原因が重なっていることもあり、検査をしても原因がわからない場合も少なくありません。
不妊症かもと思ったら?
なかなか妊娠しないと思ったら、早目に医療機関で不妊症の検査をすることをお勧めします。
先ほどお話した通り、原因は女性だけにあるわけではありません。
不妊症の検査を受けるときは、なるべく二人で受診するようにしましょう。また、生理周期や基礎体温を記録したものがある場合は、持参すると排卵やタイミングなどの参考になります。
さらに、病院以外でも、生活習慣や食事を見直して妊娠しやすいからだづくりをしていきましょう。
女性の場合、体が冷えていると生殖機能が低下して妊娠しにくくなってしまいます。体を温めて、血行を良くするようにしましょう。さらに、妊活において男女ともストレスは大敵です。ストレスが溜まると女性ホルモンが乱れる原因になります。男性もストレスで疲れが溜まりやすくなっていると、精子をつくる能力が落ちてしまいます。ストレスが溜まらないように心がけましょう。
また、栄養バランスの偏った食事は、妊娠を遠ざける原因になります。バランスのとれた食事を心がけるようにしましょう。必要な栄養素が不足していたり、食事の時間がバラバラだったりしていると、ホルモンバランスが乱れる原因になります。