クロミッドとは、不妊治療でよく使われる排卵誘発剤の一つの薬です。
クロミッドを使ってタイミング法の成功率を上げる方法は、費用や通院にかかる時間などの負担が少ないことから、不妊治療の最初に勧められることが多い治療法です。
また、人工授精などでも成功率を上げるために使用されることがあります。
そこで今回はクロミッドの効果や使い方などについてご紹介します。
排卵誘発剤のクロミッドとは?
クロミッドは飲み薬タイプの排卵誘発剤です。注射タイプの排卵誘発剤よりも使いやすく、重い副作用が起こることも少ないことから、不妊治療ではよく使われる薬です。
排卵とは卵子が卵巣から飛び出し、卵管采から卵管に入ることです。妊娠するためには、排卵が起きることが必要になります。また、排卵が起きるためには、卵巣の中で卵胞という卵子を含む袋状の構造物が成長することが必要です。
クロミッドは、脳の視床下部に働きかけ、性腺刺激ホルモンである黄体化ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促します。これらのホルモンが卵胞の成長を促してくれます。
どんな時にクロミッドを使う?
女性の排卵を促すので、軽い排卵障害が起こっている場合や、排卵日が不安定でタイミング法でうまくタイミングが取れないという場合に使われます。残念ながら不妊の原因が早期閉経の場合はクロミッドでは排卵を促すことはできないため、別の治療法を探すことになります。
また、クロミッドだけでは排卵しない場合や、排卵しても妊娠に至らない場合は、別の排卵誘発剤と合わせたり、切り替えたりすることもあります。
クロミッドの効果はどれぐらい?
クロミッドを処方された場合、約70〜80%の女性に排卵が起こるとされています。
クロミッドを服用したタイミング法では、治療を開始してから4サイクル以内に妊娠するケースが多くなっています。
クロミッドの使い方
クロミッドは月経が来て数日後から5日間続けて内服します。通常はクロミッドを最後に飲んだ日から5〜10日後に排卵が起きます。
クロミッドを使用することで、卵胞の成長が促されます。
服用するクロミッドの量は個人によって異なります。用法や容量はお医者さんからの指示をしっかり守って、きちんと効果を得られるようにしましょう。
また、卵胞の状態をチェックして、卵胞が大きくならない場合はクロミッドを2段投与したり、注射などを併用したりすることもあります。
クロミッドの副作用
クロミッドは使いやすい薬ですが、薬である以上副作用が起こる場合もあります。主な副作用は主に以下のものがあります。
・ほてり
・お腹の張り
・吐き気
・視覚異常
・頭痛
・卵巣過刺激症候群
卵巣過刺激症候群の発生率は低いものの、症状が重くなると腹水が溜まってしまうなど生命に危険が及ぶこともあります。そのことを頭の片隅に置いて、万が一の時はすぐにお医者さんに相談できるようにしておきましょう。
また、クロミッドで副作用が起こってしまう場合は、セキソビットなどクロミッドよりも排卵誘発作用や副作用が穏やかな薬を処方してもらうこともできます。
大事な赤ちゃんを迎えるために使う薬だからこそ、不安なことがあったらお医者さんによく相談をするようにしてください。また、クロミッドで効果が得られない場合は他の方法をとることもできます。いろいろな方法があるからこそ、メリット・デメリットを知って、自分に合った不妊治療を受けられるといいですね。