第2回目は、『妊娠体質作りに必要な栄養素 ~ビタミン編~』です。
私たちが生きていくために必要な栄養素は、まずタンパク質、脂質、炭水化物の『3大栄養素』と呼ばれるものです。
その3大栄養素の中でも、ママになるために最も必要な栄養素は「タンパク質」です。
タンパク質は私たちの皮膚や筋肉、内臓などを作り、脂質や炭水化物はエネルギーとなって活力を生み出しています。そして、その次に必要となるのが、ビタミンとミネラルです。
この「3大栄養素」にビタミン、ミネラルを加えた栄養素は「5大栄養素」といわれ、とても重要な役割を担っているのです。
今回は、その中でもビタミンをたっぷり取り入れる、簡単レシピをご紹介いたします。
材料
ご飯・・・2人分
まぐろ(刺身用)・・・200g〈ビタミンB6、ビタミンB12〉
しょうゆ・・・大さじ2
わさび・・・少々
アボカド・・・1個〈ビタミンE〉
しば漬け・・・30g
しょうゆ・・・大さじ2
マヨネーズ・・・大さじ1/2
大葉・・・4枚〈葉酸〉
もみ海苔・・・適宜〈ビタミンB12、ビタミンC〉
作り方
①まぐろは食べやすい大きさに切り、ボウルに入れしょうゆとわさびを加えて混ぜ合わせ、冷蔵庫で10分漬けにしておく。
②ボウルに粗みじん切りにしたアボカドとしば漬けを入れ、しょうゆ、マヨネーズを加え、よく和えておく。
③器にご飯を盛り、もみ海苔と千切りにした大葉をしき①と②をのせる。
(1人分/560kcal)
今回は3つの栄養素
(ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE)
を摂り入れた簡単っ♪
丼ぶりレシピです。
人間が食べ物を食べる時、食べ物は、そのまま身体の一部となっているわけではなく、体内で消化・吸収されることでエネルギーとして使われます。
この一連の流れを「代謝」といいます。
この代謝活動に欠かせないのが「ビタミンB群」です。ビタミンB群とは、葉酸、ビタミンB1、B2、B6、B12などの総称で中でも、妊娠に関わるビタミンB群をピックアップしてご紹介いたします。
以下の項目に当てはまるものをチェックしていきましょう。
ビタミンB6は、タンパク質の代謝になくてはならないビタミンです。
特に生理前には多めに摂りたいビタミンの1つです。
ビタミンB6は、女性ホルモンの1つである「エストロゲン」と関係しているため、生理や妊娠によって体内のエストロゲンが増えるとビタミンB6が不足気味になります。
生理前のイライラなどの症状がひどくなる月経前症候群の一因になったり、妊娠中は「つわり」が重くなったりします。
●ビタミンB6を多く含む食材・・・
レバー、鶏ささみ、まぐろ、鮭、にんにくなど
葉酸は不足すると、血液中の赤血球が正常に作られないため貧血を起しやすくなります。
またDNAの合成に関わっており妊娠初期に葉酸が不足すると胎児の脳形成不全につながるとも言われています。
妊娠を希望する女性は積極的に摂りたいビタミンです。
葉酸は緑色の野菜に多く含まれています。
●葉酸を多く含む食材・・・
ほうれん草、春菊、ブロッコリー、アスパラガス、大葉など
ビタミンB12は、葉酸と協力して赤血球の合成をサポートし貧血予防に役立ちます。
ビタミンB12は、肉や魚などに含まれているので普通に食事をしていれば不足することはありませんが、ダイエットや健康のために肉や魚を控えている方は、注意が必要です。
●ビタミンB12を多く含む食材・・・
レバー、まぐろ、卵、たらこ、海苔など
他にも
ビタミンCは、抗酸化作用があり免疫力を高めてくれるビタミンです。
またストレス緩和や鉄の吸収を高めてくれます。
ビタミンCは、壊れやすいビタミンなので調理する時はなるべく短時間でサッと加熱しましょう。
生のまま摂ることができる果物や野菜を積極的に摂るようにしましょう。
●ビタミンCを多く含む食材・・・
キウイフルーツ、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、海苔など
ビタミンEは、男性ホルモンや女性ホルモンの生成に関わっているビタミンです。
また抗酸化作用や血液の流れをよくし、冷えの解消や生理痛の鎮静にも役立つビタミンです。
但し、多く含まれる食材はカロリーが高いものが多いので、摂り過ぎには注意しましょう。
●ビタミンEを多く含む食材・・・
ナッツ、かぼちゃ、アボカド、うなぎなど
日頃、ダイエットのために野菜中心の生活をしている方や、外食が多くパスタだけ、カレーライスだけなどの単品食べをされている方は、どうしても「タンパク質」が不足しがちな食習慣になりますので、意識して摂るようにしましょう。
しかし現代人の食習慣を見てみると、脂がのったお肉中心の食習慣やラーメンや甘いお菓子など、子供も大人も大好きなこれらの食品には、タンパク質、脂質、炭水化物がたっぷりと含まれており「3大栄養素」は摂ろうと意識しなくても当たり前にとれてしまい、人によっては摂り過ぎの傾向にあります。
ビタミンやミネラルは、他の栄養素の働きをサポートしている「潤滑油」のような働きがあります。ビタミン・ミネラルが不足すると、3大栄養素の代謝もスムーズに行われず、体になにかしらの不調が出てきてしまいます。
妊娠体質作りには、この「ビタミン・ミネラル」がとても重要になってきます。
今回は、まず妊娠体質作りに必要な「ビタミン」をご紹介してきました。
次回の「ミネラル編」もお楽しみに!!
(レシピ・解説/管理栄養士 岡田明子)